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早川 滋雄*; 遠藤 博久*; 荒川 和夫; 森下 憲雄; 杉浦 俊男*
Int. J. Mass Spectrom. Ion Process, 151, p.89 - 95, 1995/00
電子衝撃で生成する正イオンとアルカリ金属ターゲトの衝突により,2電子移動で生成される負イオンをMS/MSにより検出する荷電逆転質量分析法を開発した。異性体であるアレンとプロピンから生成するCHイオンとCsターゲットの衝突により負イオンCHm(m=0~3)を生成する。水素原子を2個以上脱離するCHn(n=0~2)イオンは両試料ともほぼ同じ強度を示すが、プロピンで生成するCHイオンの強度はアレンを用いた場合の約2倍でかつピークの幅も広い。このピークの半値巾から計算した運動エネルギー放出は、プロピンで0.64eV、アレンで0.28eVと大きな差異を示した。これらの異性体によるイオン生成の違いは、電子移動による中性化反応過程における励起レベルの違いにより説明できる。通常の衝突誘起解離では、異性体イオンについて弁別することができないが、本方法では可能であることが明らかになった。